令和2年11月1日(日) 延岡市文化センターで、「神舞の庭」が演じられた。宮崎県のある村が舞台だった。神楽舞を演じてきた中崎家の親子孫世代の物語。
長男は東大を出て大手建設会社に勤務、次男は家を継いで茶園を営む。母親が倒れた事をきっかけに帰郷する長男三人家族。過疎地で家の継ぎ手もなくなる危機に直面する次男の中崎家。家を閉じ、墓じまいの話をする。
一方、長男家族も問題を抱えている。互いに分かり合えず、長男は息子に正義を振りかざし、息子は反発。一方、会社では自らの子会社の若手社員を追い詰め、自殺に追む。だが、その罪の意識に苛まれる。
長男は、だから、神の前で「神楽」は舞えないと言う。ある長老が言う「人は誰しも過つもの、罪を犯すもの、小さな『我』に閉じ籠らず、神の前に全てをさらけ出せ‼️」と。
長男は次男と息子と三人で舞を舞うことを決める。昏睡する母の魂が、精霊となって、女は舞えない舞を母の精霊が舞う。家族が村人と共に一つになって舞を舞う。神によって家族や村が一つになる。
過疎の村、都会の喧騒、現代が抱える問題をリアリティーを以て描き、「神舞の庭」が演じられた。すすり泣きが響く。